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「業務委託だと残業代を払わなくても良い」
「業務委託だと社会保険に加入させなくても良い」
「業務委託だと簡単にクビにできる」
という言葉を聞いたことはないでしょうか。
以上の言葉は決してウソではありません。
しかし、業務委託契約であっても実態が雇用契約であれば争いになった際に大きな時間的損失、経済的損失を受ける可能性があります。
今回は「業務委託契約と雇用契約の違いとリスク」についてみていきましょう。
雇用契約とは、
「労働者が事業主の指揮命令のもと労働に従事し、その対価として事業主が労働者に賃金を支払う契約」
を言います。
雇用契約を結ぶと事業主は従業員に対し、
「いついつに会社にきて、○時から△時まで仕事してください。」
「この仕事をこの手順でいつまでにやってください。」
と指揮命令し、従業員はその通りに業務を遂行します。
例え従業員の能力が低く思うように働けなくても、すぐに解雇することはできません。
なぜなら
「労働者は指揮命令を受けて仕事に従事すること」
「事業主はその対価として賃金を支払うこと」
が契約の目的だからです。
従業員が仕事ができなかったとしても、仕事ができるように指揮命令すること、つまり、きちんと教育をする義務が会社にはあります。
また、雇用契約を結んだ従業員には労働基準法が適用されます。
そのため、1日8時間、週40時間を超えて働いた場合には残業代の支払いが必要ですし、1週間に1度も休みが確保できなかった場合には週最後の出勤日については休日労働手当も必要です。
22時から5時までの間に働いた場合には深夜労働手当も必要です。
雇用契約は、会社と労働者の間に主従関係があり、業務を遂行することのみならずその過程も含めた労働力の提供が契約内容に含まれていると言えます。
業務委託契約とは、
「受託者は業務の遂行や成果物を納品し、委託者はその対価として報酬を支払う契約」
を言います。
雇用契約と違い、業務の遂行や成果物の納品そのものが契約の目的です。
つまり、過程は関係ありません。
そのため、いつ働くかもどのような進め方をするかも受託者の自由です。
裁量が受託者自身にあるため、労働基準法も適用されません。
また、委託者(会社側)には教育義務もなく、業務や成果物の質が求められているものより低ければ契約解除も考えられます。
業務委託契約とは、委託者(会社)と受託者が対等な関係であり、一定のレベルの業務遂行や成果物を納品することが契約内容であると言えます。
残業代を払わなくても良いから
社会保険に加入させなくても良いから
簡単にクビにできるから
など業務委託契約の性質を逆手に取り、業務委託契約を結んではいるものの実態は雇用契約ということがあります。
後から争いになり労働者性が認められると、大きな時間的損失・金銭的損失を被る可能性があります。
労働者性があると判断されるポイントとトラブルの例をみていきましょう。
※労働者性は個別具体的に総合的に判断されます。
ポイントに1つでも当てはまったら即労働者性があるというものではありません。
業務委託契約をしていた者が精神疾患にかかり、働けなくなってしまった。
本人は過重労働が原因であり、自身には労働者性もあったと主張しており、労働基準監督署に労災申請を行った。
労働基準監督署としては、労働者性があったと申告のある以上、業務委託契約であることのみで労災を認めないわけにも、申請者の話だけをきいて労災認定するわけにもいかないので、会社側にも連絡を取りますし、場合によっては調査にくる可能性があります。
労働基準監督署で労働者性あると判断された場合、きちんと雇用契約を結ぶこと、今までの未払い賃金(残業代など)の支払いをするよう指導を受ける可能性があります。
また、労働基準監督署が調査に来た際は本件とは異なる思わぬところ(別の従業員に対する賃金未払いなど)を指摘される可能性もあります。
労働基準監督署において「労働者性なし」と判断されたとしても、裁判を起こされた場合は、裁判では「労働者性あり」と認定されることもあります。
その場合は、過去の未払い賃金(残業代や賞与など)や慰謝料の支払い命令が下る可能性があります。
また、労働者性があれば本来は社会保険も遡れるだけ遡及加入しないといけません。
手続きをしないでいると、労働者が年金事務所に相談した、裁判の内容を年金事務所が知った場合には、後日年金事務所から連絡が来る可能性も否定できません。
裁判とは別に年金事務所の調査が入った際に指摘を受ける可能性もあります。
業務委託をしていた者の成果物の質が低かったことから契約を解除した。
ところが、本人は自身には労働者性があり、実態は雇用契約であるとし不当解雇だと訴えを起こした。
裁判では、個別具体的に労働者性があったかなかったかを判断します。
もし、裁判の結果労働者性が認められたら、残業代や賞与などの働いていた期間の未払い賃金だけでなく、裁判期間中の働けなかった期間の賃金や慰謝料についても支払い命令が下る可能性があります。
裁判が長期化すればするほど金額も莫大になります。
また、退職する場合は退職金の支払いを求められる可能性もあります。
さらに、労働者性があれば本来は社会保険も遡れるだけ遡及加入しないといけません。
手続きをしないでいると、労働者が年金事務所に相談した、裁判の内容を年金事務所が知った場合には、後日年金事務所から連絡が来る可能性も否定できません。
裁判とは別に年金事務所の調査が入った際にも指摘を受ける可能性もあります。
昨今は、多様な働き方に対する関心が高まってきています。
業務委託契約自体は決して悪いものではありませんが、中身が伴っている必要はあります。
制度をきちんと理解した上で適切な契約を結ぶようにしましょう。
「業務委託契約をしたいのだけれども、この条件で本当に大丈夫かな...」
「本人から業務委託に切り替えてほしいとお願いされたけれども気を付けるポイントは?」
「従業員として働きながら(同じ会社で)業務委託としても働くことはできる?」
など業務委託契約の判断についてお困りのことがありましたらお気軽にご相談ください。
その他の労務についてもお困りごとがありましたらお気軽にご相談ください。
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